「牛乳を飲むと背が伸びる」という話は昔から聞かれますが、これは牛乳にカルシウムが多く含まれているという理由によるものだと考えられます。ですが、実際に牛乳を飲むことによって、身長が伸びたかどうかというのは検証することができません。
身長を伸ばすためには、規則正しい生活を送ることがまず第一ですが、生活リズムを作るという点でも食事も深く関わっています。さらに、成長に必要な栄養素を摂取するためには、バランスの整った食事は欠かすことができません。
バランスの整った食事をとることは、もちろん基本的なことですが、特に成長に関わる代表的な栄養素としてカルシウムを挙げることができ、毎日不足のないように、必要量を摂取し続けることが大切です。
カルシウムという栄養素は知っていても、どんな食品に含まれているのか、と聞かれたら、ほとんどの人が「牛乳や小魚」と答えることでしょう。ですが、毎日このセットを食べ続けていくのはなかなか難しいことではないでしょうか。それでは、カルシウムがどのような食品に多く含まれるのか。そしてさらに、カルシウムを効果的にとり入れていくポイントについても説明します。
カルシウムってどんな栄養素?
カルシウムはミネラルに分類され、骨や歯を構成しています。体内には体重の1〜2%の量が存在し、その99%が骨や歯となり、残りの1%は筋肉や細胞に分布して筋肉の動きや浸透圧の調整をしています。
カルシウムは日本人が最も慢性的に不足している栄養素として報告されており、平均摂取量が基準値に一度も達したことがないという点で問題視されています。その原因としては、食事からのカルシウムの摂取量が少ないことはもちろんですが、さらに、カルシウムの吸収率が低いという点にも注目しておきたいポイントです。食事からカルシウムを摂取したからといって、全てが体に吸収されるわけではないのです。
食品や、一緒に食べる食事の内容によっても異なりますが、食事からのカルシウムの吸収率は20〜30%程度といわれています。牛乳は、一緒に含まれる乳糖やたんぱく質が吸収率を上げるため、吸収率は40%と高い数字になっています。
カルシウムの働き
それでは、カルシウムにはどのような働きがあるのか見ていきましょう。
- 骨や歯を作る
身長を伸ばすということにも関わる重要な働きです。骨は体を支えて姿勢を保ち、内臓を保護するという役割を持っています。また、骨はカルシウムを貯蔵しておく機能があり、新しく骨が形成されるときには血中にカルシウムを溶かして不足分を補っています。
- 骨粗鬆症の予防
体の中では、新しい骨を作り、古い骨を壊すサイクルが毎日稼働しています。しかし、加齢とともに古い骨を壊す働きが優位に立ってしまい、新しい骨を作るという作業が追いつかなくなります。このようにして、骨密度が低くなり、骨折しやすくなる状態を骨粗鬆症といいます。
骨形成のピークは20歳頃で、そのあとはどんどん骨が弱くなってしまいます。若いうちにどれだけカルシウムを吸収して、強い骨を作れるかというのが重要なポイントです。カルシウムは骨に関わる働き以外にも、神経の興奮を抑える、血液が固まるのを助けるなどの働きを持っており、私たちの体には欠かせない重要なミネラルです。
カルシウムの1日の摂取目安量
まず、カルシウムは1日にどのくらい摂取する必要があるのか見ていきましょう。性・年齢別に区分し表にしました。
表を見ると、成長期である12〜14歳の中学生の期間が一番カルシウムの必要量が高いことがわかります。
カルシウムの多く含まれる食品
それでは、カルシウムはどのような食品に多く含まれているのか説明していきます。
- 食品1食分あたりのカルシウムの含有量
ししゃもやワカサギのように、1食でたくさん食べることが可能な食品は、それだけでも十分なほどカルシウムを摂取することができます。また、ひじきやゴマなど、1食あたり少ししか摂ることができない食品は、同じ量に換算して考えると、カルシウムの量はとても多くなります。比較的少量でたくさんのカルシウムを摂ることができ、色々な料理にも加えられることから、カルシウム源として万能な食材です。
カルシウムの吸収率を上げる食品
カルシウムは吸収率が低い栄養素ですが、吸収率を上げるためには、マグネシウムとの比率をCa:Mg=2:1にすると良いとされています。カルシウムだけではなく、マグネシウムを多く含む食品を摂ることも意識する必要があります。
マグネシウムを多く含む食品にはアーモンドやピーナッツ、玄米、大豆製品などがあります。比率を意識することは難しいですが、カルシウムは一度に吸収できる量が決まっていますので、マグネシウムが不足しないように心がけると、自然と吸収率をアップさせることができます。
また、ビタミンDもカルシウムの吸収をサポートしてくれます。きのこ類や卵、魚介類から摂ることもできますが、日光に浴びることで体内のビタミンDの合成を促進することができます。
結論
カルシウムは、骨や歯の健康のためには必要不可欠の栄養素ですが、神経や筋肉の働きにも関わっている重要な栄養素です。しかし、日本人においては慢性的な不足が見られ、意識的にカルシウムの多く含まれる食品を摂らないと必要量にはなかなか届きません。
身長を伸ばすためには、栄養バランスのとれた食事をすることは基本ですが、特にカルシウムは成長期に多く必要となります。意識しないと不足しがちになり、思うように身長を伸ばせません。
カルシウムが多く含まれる食品には乳製品や魚介類、大豆製品などが挙げられます。また、これらを摂取するときは、マグネシウムとビタミンDの含まれた食品を意識して摂るようにすると、カルシウムの吸収率をアップさせることができます。カルシウムの多く含まれる食品を摂りながらも、より吸収率を高めてくれる食品を一緒にとり入れることが、お子さんの身長を伸ばすためにも良いカルシウムの摂り方といえます。 ⇒身長を伸ばすために必要な食習慣
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